わざわざ出かけてでも食べたい・身も心も満足できる・ちょっと特別感のある「モーニング」は、外食の1ジャンルとして定着し人気を集めています。今回は、系列ベーカリーで人気のパンを提供しているカフェと、ベーカリー併設のカフェに、今話題のモーニングメニューやサービスについて取材しました。
les joues de BeBe (レ ジュ ド ベベ)
「小さなお子さんからお年寄りまで、世代を跨いで食べていただけるパン」をコンセプトにした、目黒駅近くにあるベーカリー。併設カフェではモーニング、ランチ、ディナーの時間帯に合わせたメニューを展開し、街の人のオールデイダイニングとしても好評です。
les joues de BeBe (レ ジュ ド ベベ)
- 住所
- 東京都目黒区目黒1-3-15 リードシー目黒ウェストビル 1F
- 電話
- 03-6417-3535
- 営業時間
- 8:00~20:00
【モーニング】8:00~11:00(LO10:30)
【ランチ】11:00~14:00(LO13:30)
【ティー】14:00~17:00 (LO16:30)
【ディナー】17:00~20:00(LO 19:30) - 定休日
- 不定休

モーニングをきっかけに、自慢のパンの魅力を知ってもらう


店内中央で柔らかな曲線を描くU字型のカウンターには、1日に50~60種ほどのパンが並びます。併設のカフェでは、お好きなパンをスープやドリンクと一緒にイートインすることができます。モーニングのカフェメニューは6種類。中でも人気は「4種のパンセット」です。パンづくりへのこだわりが詰まったベーシックな3種類のパンと、菓子パンや惣菜パン10種類からお好きな1品をチョイス。2種類のジャムとホイップバター、ピーナツバター、チョコレートクリームがたっぷり添えられるという、なんとも魅力的な内容です。スタッフの泉恵梨香さんにお話を伺いました。
「赤ちゃんのほっぺのようにやわらかくてもちもちな食感が当店のパンのいちばんの特長です。『4種のパンセット』は、そのおいしさを知っていただくのにうってつけ。終日ご用意していますが、11時以降は1,000円のセットをモーニングの時間帯は800円とお得なお値段でお楽しみいただけます。当店は初めて、という方にもぜひおすすめしたい、いわば“BeBeの入門編”なんです」(泉さん)。
3種類のシンプルな丸パン「BeBeパン」「パンコンプレ」「ブリオッシュ」と、選べる1種類は泉さんもおすすめのの「アールグレイリュスティック」をチョイス。ほどよくリベイクして提供されます。
「店名を冠した『BeBeパン』は、試作を何度も繰り返して生まれた塩パンです。国産小麦粉を使用し、加水は100%近く、はちみつやヨーグルトでさらに保水性を高め、低温長時間発酵のもちもちの生地にバターをたっぷり包んで焼き上げています。柔らかくて扱いの難しい生地でバターを包むのが難しいのですが、焼成中に型に溶け出たバターで揚げ焼きになることで、クラストはカリッと揚げたようになり、中はもちもち生地にジュワッとバターが染みたおいしさが生まれました」(泉さん)。


「コンプレ」は、全粒粉を25%配合した高加水、低温長時間発酵のパン。特別な製法でBeBeとはまた違うもっちり感を出しています。コンプレの生地は、大きく焼いた食事パンの「パンコンプレ」や惣菜パンなどのベースにも使われています。
「ブリオッシュ」は、高加水でもよく生地がよく膨らむように、国産小麦粉の中でもグルテンが強めのものを使用。卵たっぷりのリッチな味わいで、隠し味にカボチャを入れています。


「ブリオッシュ生地もいろいろなパンに使っています。『あんぱん』や『あんバター』『クリームパン』など菓子パン系のほか、『カレーパン』もブリオッシュ生地です。自家製のカレーフィリングを包んだ生地はふんわりとして、油で揚げずにオイルをまぶして焼き上げた、さっくりした食感がとても好評です」(泉さん)。
選べるパンは、「あんバター」や「カレーパン」「本日のデリパン」など10種をラインアップ。
セットのジャムやバターもたっぷり添えられていますから、シンプルなスコーンやプチパンをチョイスして、スプレッドとの組み合わせをいろいろ試すのもよし、甘い系、惣菜系からワクワクしながら選ぶのもよし。その日の気分に合わせて楽しめるセットです。
系列のビストロから、商品開発のヒントも
開店から11時までのモーニングタイムには、ほかにも「あんバタートースト」「スモークサーモンとカマンベールのオープンサンド」「マキシマム濃い卵のオムレツサンド」「ハムチーズトースト」「季節のフルーツフレンチトースト」をラインアップしています。
同店の隣には系列のビストロがあり、バックヤードでつながっています。カフェメニューの調理はベーカリーの厨房で行いますが、ビストロのシェフやスタッフから日常的にいろいろなアイデアをもらったり、「アクセントにこんな香りをプラスしたら深みが増すよね」といったヒントを得たり、パンの商品開発にも生かされています。
モーニングの人気メニュー「マキシマム濃い卵オムレツ」は、ビストロのオムレツと同じ卵液を使用。そのオムレツをパンドミにはさんだホットサンドです。パプリカの餌で育つ鶏の卵は黄身がとても濃く、練乳などを混ぜることでほんのりとした甘みとコクが加わります。
また、ランチタイムにも登場する「季節のフルーツフレンチトースト」は、フルーツは月替わりで、それに合わせたクリームをビストロの料理長が開発しています。


ベーカリーの売り場を彩るパンにも、ビストロの料理からインスピレーションを得たものが並んでいます。例えば、コンプレをベースにした惣菜パンの「タルティフレット」は、フランス・サヴォア地方の郷土料理じゃがいものチーズグラタンをオマージュしたもの。

朝のオープン時には、ベーカリー売り場には約7割の商品が揃っています。11時ごろをピークに時間帯によって少しずつ商品が入れ替わっていきます。
「時間帯によって商品を変えることで、ご来店のたびに、また違ったパンに出会えることも楽しんでいただきたいと考えています」と泉さん。
「モーニングをめがけてお店に行く、日によっては並ぶこともあるというのは、お客様にとって、かなり気合のいる朝活だと思います。“おいしいパンを食べて元気をもらった。また来たいな”と思っていただけるように、期待に応える商品づくりやサービスを心掛けています。当店が、街の皆様の元気のもとになるエナジースタンドになれたら、と願っています」(泉さん)。
ZTTo morning(ズットモーニング)
人気ベーカリーカフェ「パンとエスプレッソと」の新業態店として2025年3月にオープン。大人気の食パン「ムー」を使ったトーストやフレンチトースト、パニーニなど、既存店のモーニングで大好評のメニューを中心にラインアップ。オープンからクローズまで時間を問わず楽しめます。
ZTTo morning(ズットモーニング)
- 住所
- 東京都千代田区平河町2-4-4 owns平河町
- 電話
- 03-6265-6110
- 営業時間
- 月曜~金曜8:00~18:00(LO料理17:00 ドリンク17:30) 土曜、日曜、祝日8:00~17:00(LO料理16:00ドリンク16:30)
- 定休日
- 不定休

1日中、ずっと魅力のモーニングメニューを楽しめる

シンプルながらも、リッチな味わい、バターの香りにまみれる贅沢なモーニング

インダストリアルな内装にグリーンをたくさんあしらったカフェは、ゆったりとした空間づかいで、カウンター席やテーブル席、ソファー席を備え、1人でもグループでも利用しやすい雰囲気です。
全国で展開する「パンとエスプレッソと」各店は、朝、ランチ、デザートと時間帯によってメニュー構成を変えていますが、同店では、平日、休日とも終日同じメニューを同じ価格で提供しています。店長の石井宏典さんにお話を伺いました。
「店のある麹町駅周辺はオフィス街で、街で働く方たちの朝食やランチ需要に応えるメニューを展開しています。朝からでも重すぎずに食べられることを意識して、その日の気分やタイミングで食べたいものをチョイスいただけることを大切に考えています」(石井さん)。
オフィス街という立地から、当初は土日祝日は定休日としていましたが、休日も店を開けてみるとインバウンドのお客様、日本の方も含め、予想外にたくさんの来店があるのだそう。
「周辺にこれといった観光スポットもないので、当店をめがけてわざわざ来てくださる方が多いという、うれしい誤算でした。少し値段は高くなってもよいものを食べたい、時間を気にせずに、ゆっくりと過ごしたい、というニーズに適ったのかもしれません」(石井さん)。
人気のメニューは、「パンとエスプレッソと」の看板商品ともいえる食パン「ムー」を使ったトーストです。
“ムー”はフランス語で“やわらかい”を意味する名前のとおり、しっとり、もちもちでとてもやわらかな、約10㎝四方のキューブ型食パン。高加水で、通常の食パンの10倍ものバターを使い、ブリオッシュのふんわり感と食パンのもちもち感を併せ持つ、リッチな味わいが特長です。
トーストするだけで、まるでフレンチトーストのようにリッチな味わいの「ムー」に、無塩バターを削ってふんわりやさしく、たっぷりのせた「ムートースト」は、シンプルにパンのおいしさを楽しめる一品です。


ムートーストは、「はちみつバター」「ジャムバター」のほか、デザート系、惣菜系など全部で9種類をラインアップ。トースト単品か、キャロットラペやサラダ、フレンチフライ、シリアル入りヨーグルトのついたプレートセットを選べます。
お店の名前を冠した「ZTTo morning」は、エッグベネディクトのイングリッシュマフィンをムートーストに代えたボリューム満点の惣菜系。ベーコンにポーチドエッグとオランジェリーソース、食べ応えのあるソーセージも添えています。プレートにすれば野菜もしっかりとれて、バランスよくチョイスしたホテルの朝食ブッフェのような豪華さです。
「パンとエスプレッソと」のパンに、オリジナルな具材を合わせて
同店では、「パンとエスプレッソと」のベーカリーから届く「ムー」と「フォカッチャ」を使用し、パン以外の具材や焼菓子はすべて自店キッチンで調理。他店にはないオリジナルなメニューを楽しめます。
例えば「ピザトースト」。一般的な「ピザトースト」のイメージは、よい意味で覆されます。トマトペーストを塗ったムートーストに、フライパンで焼き目をつけたモッツアレラをのせ、フレッシュミニトマト、生ハムとバジルを重ねます。
「マルゲリータ風のピザトーストをつくりたいな、と考えたメニューです。ムーは高加水でとてもやわらかく、パンの上に具材をのせてから火を通すとへこんでしまいます。削りバターをふんわりとのせることもそうですが、見た目にもこだわって具材の組み合わせやあしらい方を決めています」(石井さん)。
「シナモン&チャイクリーム」は、シナモンペーストを塗ったトーストに、生クリームとマスカルポーネ、シナモン、カルダモン、アールグレイの茶葉を合わせたチャイクリームを添えて、北欧テイストのデザートに仕上げた同店のオリジナルレシピです。


パニーニは、フォカッチャにさまざまな具材をはさんだイタリアンサンド。季節限定も含め、6種類をラインアップしています。
「千駄ヶ谷にある『パンとエスプレッソと』のパニーニ専門店で以前やっていたメニューをベースにしています。いろいろな種類のチーズを使い分け、具材の組み合わせでイタリア感を楽しんでいただけるサンドイッチメニューを揃えています」(石井さん)。
「自家製ツナメルトとリコッタチーズ」は、セミドライトマト、ブラックオリーブ、パセリと一緒に和えた複雑な味わいのツナマヨに、リコッタチーズとマーマレード、仕上げにレモンの皮を削り、ディルを添えています。
「自家製ボロネーゼとモルタデラハム」も人気の一品。たっぷりのボロネーゼとパンからはみ出るくらいのモルタデラ(ボローニャソーセージ)を豪快にはさんでいます。
「ミラノサラミとゴルゴンゾーラ」は、噛めば噛むほどうま味の出るイタリアンサラミに、塩気や匂いがマイルドなドルチェタイプのゴルゴンゾーラを合わせ、リンゴとくるみとはちみつをプラス。インパクトのある組み合わせながら、ゴルゴンゾーラは苦手、という方でも食べやすく仕上げています。


好評なのが月1回のペースで変わるシーズナルメニューです。取材時は、冬のリンゴをテーマに、トースト、パニーニ、フレンチトースト、アップルパイとクランブルケーキ、ドリンクの限定メニューが登場。毎月のフェアを楽しみに、初日に来てくださる常連のお客様もいらっしゃるそう。
「パン以外はすべて自店でつくり、焼菓子にも力を入れて朝から揃えています。席数が多く、お食事がてら仕事をされる方、カップルやご家族連れ、ママ友会など、いろいろなシーンで“ZTTo morning”ならではのメニューを楽しんでいただけたらと思います」(石井さん)


ウラパンマス
武蔵小山でイタリアン、寿司居酒屋、ベーカリーを運営するマスダストアが手掛けるフレンチトーストとホットサンドの店。系列ベーカリー「パン商店MAS」のパンを使用したモーニングメニューを楽しめます。
ウラパンマス
- 住所
- 東京都品川区小山台1-24-1 カサデパース店舗A
- 電話
- 050-5456-6071
- 営業時間
- 月曜 11:00〜14:00、火曜~金曜、祝前日9:00~14:00、
土曜、日曜、祝日8:00~15:00
※現在休業中。再開についてはSNSでご確認ください。 - 定休日
- なし

ブリオッシュ食パンでつくるレア食感のフレンチトースト

「Half&Halfのフレンチトースト」

リッチなテイスト、こんがりと焼けた卵の色に気持ちも上がるフレンチトーストは、今やモーニングには欠かせないアイテム。
2025年5月オープンの同店では、系列ベーカリー「パン商店MAS」自慢のブリオッシュ食パンを使ったフレンチトーストがイチオシのメニューです。カウンター9席のお店を仕切るのは店長の石川久枝さん。もとは料理人で、ベーカリーでは主に惣菜パンのフィリングを担当していました。
「系列にすし店やイタリアンがある強みから、『パン商店MAS』でも1皿の料理のような具材をはさんだサンドイッチなどが好評で、店内にイートインスペースも設けています。当店では、季節の素材を使ったリッチなモーニングメニューを、オーダーごとにつくりたてで提供することにこだわりました」と石川さん。
ブリオッシュ食パンでつくるフレンチトーストは、ふんわりフルフルのレア感が特長です。1斤4枚切りのパンをアパレイユに一晩漬けこみ、フライパンにたっぷりのバターでこんがり焼き目をつけて、仕上げはオーブンで。ほんのりとした甘みは、スイーツ系はもちろん、惣菜系の具材にもよく合います。
「普通の食パンでは、長時間漬け込むと崩れやすく食感もベチャッとしがちですが、このブリオッシュ食パンは、たっぷりのアパレイユをしっかり含んでくれます。卵が固まりすぎないようにオーブンの加熱時間を調整して、ほどよくトロッとしたレア感を出すのがポイント。卵とバターのリッチなパンのおいしさとプリンのような口どけが一体になったブリオッシュならではの新食感です」(石川さん)。



フレンチトーストの定番は、惣菜系の「季節の野菜とスクランブルエッグ」とデザート系の「季節のフルーツのフレンチトースト」。そして、甘いものとしょっぱいもの、両方食べたい!という願いをかなえてくれるのが「Half&Half」です。
取材時は、ベーコンとしめじ、小松菜を強火でサッと炒め、その上にふわトロのスクランブルエッグ、レンコンとかぼちゃをトッピング。パンが見えないくらいにたっぷりの料理をのせたフレンチトーストです。
スイーツ系は「苺と2種類のベリーと焼きマシュマロ」。トッピングはホイップクリームとアイスクリームに、バーナーで焦げ目をつけた小さなマシュマロを散らしてアクセントにしています。季節によってフルーツの種類が変わり、それに合わせてホイップとアイス以外のトッピングも変えているそう。
ひと手間かけた料理をフレンチトーストやホットサンドに

フレンチトーストとホットサンドのメニューは6種類。全てのメニューにサラダと自家製スープ、ドリンクがセットされて、オープンからクローズまでオーダーできます。
「当初は、朝はシンプルなトーストとドリンクなど、時間帯でメニューを変えていたのですが、モーニングやブランチの時間帯って、人によってまちまち。そこで、当店自慢のフレンチトーストやサンドイッチを、いつ来ても楽しめるスタイルにしました」(石川さん)。
ホットサンドは、ブリオシュ食パンを使ったものと、シンプルな山型食パンを使ったものがあります。
「サーモンとアボカドのオープンサンドイッチ」は、温めたブリオッシュ食パンにサーモンのリエットとスライスしたアボカドをのせたオープンサンドです。
「ベーカリーでは、低温調理でレア感を残したサーモンのサンドイッチが好評ですが、当店では趣向を変えて自家製のリエットにしています」(石川さん)。


山型食パンを使ったホットサンドは、「自家製メカジキフライのタルタルレモンサンドイッチ」。塩レモンとキュウリのピクルスを合わせたタルタルソースも自家製です。
「塩レモンは輪切りの1/4のスライスレモンをハチミツと塩で漬けたもの。ピクルスと塩レモンの組み合わせは、まかないで試してみたらとても好評で、以来べーカリーのサンドイッチにも使われています。魚にも肉にも合いますし、揚げ物にレモンをしぼる感覚で、さっぱりと食べられます」(石川さん)。
期間限定メニューは約1カ月ごとに内容が変わり、取材時は、冬にぴったりの煮込み料理「トリュフ香るハーブポークのサルシッチャときのこクリームソースのフレンチトースト」。サルシッチャももちろん手づくりです。


メニューの考案から、調理、接客も含めてほぼワンオペで店を回している石川さん。
「ブリオッシュのフレンチトーストは守備範囲がとても広く、例えばスパイシーなカレーとも好相性。次はどんなメニューにしようかと考えるのも楽しみです。武蔵小山の街は、商店街に八百屋さんや食材を扱うよいお店がたくさんあり、お店に並んだ季節の野菜などからアイデアが生まれます。
ご自宅ではなかなかつくらないような、ちょっと手の込んだもの、ちょっとリッチなモーニングを、お好きな時間にゆっくりと楽しんでいただけたらと思います」(石川さん)。
今回取材した3店とも、系列ベーカリーや自店のこだわりのパンを主役に、そのおいしさを最大限に生かしてビジュアルも美しく、お客様が満足感を得られるモーニングのメニューを展開されていることが印象的でした。また、魅力的なモーニングのメニューを時間を限らずに提供することは、集客の分散にもつながります。皆様のお店でも、参考にされてみてはいかがでしょうか。
※店舗情報及び商品価格は取材時点(2026年01月)のものです。最新の店舗情報は、別途店舗のHP等でご確認ください。
